芸事、芸能の力― 『大須演芸場』

日出処の国…
日本。

眼(まなこ)を開き
大きく見渡せば…
芸事や文化の中心は
江戸や上方であったことは
否めない。

1610年…
徳川家康の命により
この街に
名古屋城が築城された。

その3年後…

清須に在った
人、町、橋…
寺が、大須に移された。

碁盤の形に
区切られた街の中には…
その後も、たくさんの
寺や観音院が軒を連ねた。

そうして
ようやく…

門前町らしくなったのは
築城から凡そ60年後―


けれど
まだまだ…
移り住む人たちも、
往来する人たちも少なく

藩は…
木材を与え
大須に住む者に
興業をする特権を与えた。

芝居、軽業(曲芸)、
操り(人形)声色(ものまね)、

踊り、寄席…
寺の境内や…
小さな芝居小屋…

道の上で催される
それらの見世物に
人々は熱狂し、歓喜し…

やがて…
お伊勢参りと
同じほどに…

ここ大須を中心に
この街は栄え始めた。

7代目藩主…
宗春が自ら芝居や
寄席に足を運んだことから
その流れは 
ますます加速した。


時は…
1730年―

築城から
120年もの月日が流れていた。

築城当時…

東の国と
西の国を繋ぐ、
唯一の街道…
鎌倉街道のひとつに
過ぎなかった街に…

人が集まり、
ひとつの大きな街となったのは
芸事や芸能の力。




昔の大須の街の映像と
ドラマで編まれた『ただいま大須商店街』。

ヒロイン・松田久美子が
外国人観光客をアテンドするシーンには
そんな昔の大須の街の映像が流れ
久美子のアテンドは…
そのまんまナレーションになります。

大須という街の原点には
《芸事》があり…
その中でも、この大須演芸場は
要となる場所なんだということが
よく分かります。


昭和40年に開業して以来…
50年以上に渡り、常打ち小屋として
名古屋の芸事を支えている大須演芸場。

落語、講談、漫談、漫才…
江戸曲独楽、紙切り、浮世節…
腹話術、奇術…
三味線に、踊りと…

江戸、上方の東西の芸を
一気に楽しむことが出来る
東海地区唯一の寄席です。

2015年に体制と小屋をリニューアルし
再出発を果たした大須演芸場は
毎月1日から7日は自主興行を…
それ以外の日程は貸席として開放。

たくさんの方の…
鍛錬の場であり、憩いの場でもあります。

2020年、春…

日本中が新型コロナウイルスに
疲弊する中…
大須演芸場も、また
何度目かの危機を迎えています。


きっともっと
お声を挙げていらっしゃると思います。


今までも…
幾度となく危機を乗り越えて来た
大須演芸場。

今回も、どうか踏ん張って 
乗り越えて下さい…!


                                              2020.5.8



東海テレビ『ただいま大須商店街』応援サイト

2019年1月2日、水曜日― "ごった煮"と言われる街、大須。 古きもの、新しきもの、 すべてがカラフルに咲きほこる街、 この大須商店街を舞台にした物語が放送されました。 "生きている街"と一緒に 生きていくドラマを、繋ぎ続けます…🍡🏮🌟。:* (🍡画像は一部公式HPより引用)

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